第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
違う、違うねん!
零れた名前に深い意味はない…とか
そんな事、私にしか分からん
勘違いだと
真相があると話すには
「抱き合ってたんは
ヨリ戻そうって話が決まったからか?
お前の身体がいつもより
敏感やったんは
治にイかされた後やからか?
なぁ…なんとか言えや
何か…言うてくれや…」
私は侑を傷付け過ぎてた
『…侑…違う…私は…』
"侑が好き"そう言いかけて
出なかった声
これだけ傷付けて
こんな顔させて
私はどんな顔で"好き"を
紡げば良いのか分からない
「…今日は帰る。
スマン、このまま居ったら
お前の事メチャクチャにしてまう」
私を離した侑が
乱れた服を直して立ち上がり
部屋のドアを開ける
何も言えず
ただフラフラと追い掛ける事しか
出来ない私に
「姫凪、ごめんな
そこ来られたら止まらん…わ」
優しく落ちて来た唇が
激しく口内を犯して
「泣きそな顔すなや…って
そんな顔させてんの俺やんな」
情けない笑みが離れて行く