第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
無理して笑う顔
その奥の悲しい目
私を必死に理解しようとして
出来ないのが悔しい
そんな顔してる
『おん…無いよ
早く家帰ろう
話…したい』
「分かった」
今度こそ
チャント向き合う
これ以上侑に
あんな顔させへん様に
私から向き合う
そう決めて後にしたコンビニ
一番辛い時間に向かうなんて
思いもせず
必死に頭を整理しながら
侑の少し後ろを歩いて
家に帰った
『コップ持って来る』
部屋に通して立ち上がろうとした
私の手を
「要らん。
姫凪…来い」
侑が引いて私を胸に収める
『…!!?』
熱い体温に包まれて
記憶と現実がグチャグチャに
頭の中で混ざり合う
「…どないした?」
私の服に手を掛け
ボタンを外しながら
淡々とした声で
私に話しかける侑
『な、んも…ない…』
シッカリしぃ。
怖くなんかないはずや
チャント声聞いて
感じたら分かるやろ?
震えたらアカン!