第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
追いかけなきゃいけないのに
なかなか出ない足に涙が落ちる
『早く行かな!
私のアホ!弱虫!』
パンッと頬を叩いて
侑を追いかけてコンビニに入り
侑の背中を探す
『侑…?』
侑が居たのはジュースのコーナーでも
お菓子のコーナーでもなく
ひっそりある避妊具が
置いてあるコーナーで
「あぁ…姫凪。
もうあんまり無かったやろ?
一箱で足りるかなー?」
手には見慣れたパッケージ
いつも通り
"スケベ"って笑って
肩でも叩いて
"足りてくれな困るから一箱にして"って
カゴに放り込めばいい
簡単な事やのに
箱に手を掛けたまま
喉も指も動かない
動きぃや
私の身体やろ!
私が考えた通りに
動いて、お願い!
今、普通に出来へんかったら
「…ウソや。
疲れとるみたいやし
無茶させへんって
そんな嫌そうな顔すなや
ほらレジ行くで?
他欲しいもんないか?」
ほらまた
侑にこんな顔させてまう…