第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
小さく握った拳
早くなりそうな鼓動を
抑える為に
息をユックリ吸っては吐いて
一歩ずつ私の家への道を踏み締めてた足が
「…そうか?
どんな顔しとる、俺」
『え?』
「こっち見ぃ、姫凪
その目で…チャント俺を見て?
俺、今どんな顔しとる?」
侑に止められた
目…そういえば手だけじゃなかった
目もずっと合ってない
手はお互いが避けてるけど
こっちは私が合わせてへん
『あの…侑…
どんな顔…って…』
合わせ…られへん!
「なぁ…普通の会話してるだけやん
俺なんもしてへんで?
せやなのに何で
目も合わせてくれへんねん?
そんなソワソワしてんねん?
何でも…聞くって
言うたやろ?
何でも聞くから…
俺の目ぇ見ろや…姫凪!」
強く掴まれた腕
引き込まれた物陰
家まで後少しを残して
私の身体は
「なんで…震えてんねん
姫凪…」
侑に抱き締められた