第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
ニヤける私の前に
いつの間にか喧嘩してる二人が
雪崩れこんで来る
「それは二人きりやと
思ってたからやんけ!
治も一緒やのに
そんな可愛いカッコして…!
ジャージ買わな!」
侑くんの言葉に
繋いでた手がピクリと動いて
ちょっとソワソワしたのも束の間
「俺にはサクラ居るから
そっちまで目回らんわ
せいぜいナンパ男に
連れ去られん様に気ぃつけよ
サクラ、行くで
アホは置いてこう」
グイッと腕を引かれて
また視界から消える二人
治くんの何気ない一言に
浮かれ過ぎてしまう
不安だったダブルデートも
アッサリ楽しみしかなくなって
足取りも軽くなる
もっとちゃんと治くんの事が
見えてたら
いっそ心の中が見えてたら
一人で浮かれへんかったのに。