第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
『誰が…!
…なんで泣かなアカンのよ…』
「俺のせいやろ?
責めてええ。
責めてええから…
…ココ居り…な?」
バタンと開いたドア
できた隙間から
身体を押し込み
細い身体を抱き締め
『離し…離して…』
「嫌に決まってるやろ
離したくないから
飛んできたんやから…
泣かせてゴメンな?」
溢れそうな目の端に
チュッと唇をぶつける
怒鳴られると思ってた
ポカリと開いた唇から
"アホ"って響くもんやと思ってた
せやのに
『…飛んで来るくらいなら
なんで…行ったん?
私との約束…より
あの子のが良かったん?
大事な子ぉなん?』
姫凪の唇は
悲しげに言葉を紡ぐ
反則やん、こんなん。
お前もやんけ!とか
攻められ攻めてのはずやったのに
予定は総崩れや。