第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
「…しゃあないな、許したるよ
侑には甘くなってまうねん、私。
後チョットだけ、付き合ってな?」
「…分かってる!
約束は守るやろ、俺は!」
「そやっけ?
ずっと好き言うてたんは
私の聞き間違えやったっけかな?」
「それは言うなや!」
優しいナナの自虐に
苦いながらも笑いをもらして
寄り添わない背中は
繁華街へ向かった
「ごちそうさま」
「よろしゅうに
腹いっぱいか?」
「おん…いっぱい…
あの…侑…」
空になったパンケーキに
溢れる小さくなっていく涙声は
「サッサと行き!
私まだ紅茶残ってるから
先に出てええよ
お金は払って行ってな!」
急にボリュームが上がり
ニコリと笑う顔が俺と向き合う