第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
北さんが姫凪の隣を潰す前に
その場から逃げ出して
駅前まで早足で歩く
考えんな。
なんかあるわけないやんけ。
「……侑!チョイ待ち!!
足ちぎれるわ!」
「あ、ナナ…スマン…」
置き去りにしかけた
ナナを振り返ると
「…私こそ…ゴメンな?
あそこで…私が退いてたら
あの子連れ去れたやんな…」
ゴメンは俺のセリフやん。
「お前は別に悪ないやろ
それどころか俺が誘ったのに
自分が誘ったって
誤魔化してくれたやん…
お前に得なんか
これっぽっちもないのに」
「そんなエエ話やないよ
侑に少しでもエエ子やって
思って欲しかっただけ
あの子に向いてる気持ちを
チョットでも良いから
引きたかっただけ…
ゴメンな…」