第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
「へいへい。
そんな急かすなや。
別にもうせぇへんわ」
『当たり前や!』
「こっわぁ~
優しくしたってや
…はぁ…オレノアホ…」
ケラケラ笑いながらも
やらかした感に出るため息
『…優しくしてるやん
これ以上とか欲張りか』
欲張ったらアカンのか?
欲張ったら嫌われるんか?
問い詰めて
俺の想いごとぶつけてしまいたいけど
そんな事してもうたら
放課後の約束もナシ?
ふと過るそんな不安に
「さよか!優しくしてくれてんなら
満足しとこか!
ちゅー事で!ごっそうさん!
ほな、また後でな!」
グチャリと濁す気持ち
『…うん…ほな、な』
「おん!」
一人で駆け下りた階段
切った風が
熱かった身体を冷まして行く