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私を愛したモノなど

第3章 2 暖かな黒の中で



ジェイドはまだ意識すらないが、無理に目覚めさせなければ今すぐどうこうなる事はない段階まで来ていた。
だが、覚醒させるには今の技術ではどうにもならない。
天使にやられた者を下手に目覚めさせて、意識が朦朧としたまま寝たきりなんて事もあり得る。

付きっきりで診てくれている医療班から状況を聞き、私はまた二人がいる部屋へと戻ってきた。

部屋の中からはまだ彼女の甘い声が漏れている。
それを聞いただけで収まった筈の己の熱がまたすぐに首をもたげた。分かりやすい反応に笑えるが、それ以上どうすることも出来なかった。

ドアノブを掴もうとして、やめた。
もう完全に二人の世界に入ってしまっていた。今更私に入る隙間など無いと半ば諦め、部屋の扉に背を向けた時、中から声がかかる。

「ハイデス、いるのでしょう?入りなさい。」

随分偉そうな男だ、ここは私の屋敷だぞと思いながらも逆らうことなど考えもせず素直にその扉を開いた。

ブワッと部屋中に満ちた甘い甘い魔力の香りに襲われる。
これが人を狂わす天女の力なのだと、頭の片隅で思いながらも目の前の乱れた彼女から目が離せなくなる。

「ハイデス、さ、…っや、」

「すみませんね、私はハイデスではないのですよ。…ほら、何をそんなところで突っ立っているのです?ご指名ですよ。」

「っ、アンリ…」

「…ハイデス、さんっ…ハイデスさんっ」

私に気付いた彼女が、潤んだ瞳でまっすぐに私を見て、濡れた唇が紡ぐのは私の名だった。

「お前が居なくなってから、急にこの調子ですよ…まったく、人の心も知らずに……お前も、この子もね。」

彼女の色気にあてられフラフラと近付き、伸ばされた手を取ると耐えられず口付けた。

「朦朧としていた意識が戻りつつあります。もう少しすればハッキリと認識出来るでしょう。天使の毒もこのまま続ければ明日の朝には完全に抜ける筈……お前、聞いているのですか?」

小さく、柔らかい舌を絡ませると思い切り己の魔力を注いでしまった。快楽に震える彼女を支えると、堪らない幸福感に満たされる。
柔らかい、しっとりした肌が手に吸い付いてくる。胸を撫でると肩を震わせ、その先端から甘い蜜を溢す。

彼女が、私を見て快楽を感じている姿が堪らなく愛おしかった。
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