第4章 yellow
手を洗って洗面所から出ると
その狭い通路に
二宮くんが壁にもたれて立っていた。
「な、どうしたの?」
彼は酔うと
少しアイドルの自覚が足りない気がする。
「ん、待ってた」
「そ、そう、ですか」
「なに、迷惑?」
「いや!断じて!」
「…断じてって、」
二宮くんが顔を下に向けて
ふふ、と笑う。
「二宮くん、気を付けないとさ」
また前みたいに写真撮られたら
たまったもんじゃないし。
「ん、ごめん」
「……」
「…なに?」
「うん、なんか…素直だ」
ちょっと驚いた。
「うるさいなあ」って
ふざけたように言われると思ったから。
「私が素直だと、嬉しいんですか」
「なんでわかるの?嬉しいって」
「顔、ニヤニヤして気持ち悪いから」
「二宮くん、好きな人の笑顔は
天使のようだ、ってよく言うよ」
「あ、ごめん、目悪くって」
「…(嫌味な人だ)」
もう行こう、と
私が先にみんなの元へ戻ろうとすると
後ろから腕をパシッと掴まれる。
振り向こうとした時には
彼がすぐ後ろにいて
私を優しく抱きしめていた。
「……、」
「…やっと」
無言の私の耳元に
二宮くんの息があたる。
「二人きりだね」
その言葉に反応できなかった私を見て
ふふふ、と耐えるようにして笑う彼。
END.
「ナニする?」
「もももももももろ、戻る!」
「あっははははは(好きだよばか)」