第131章 あなたにもう一度第三幕(18)
部屋に並べられた贈り物を見て、全員が手に取る。
「……全部に、文が添えてある」
震えた佐助の声。
文机に置かれた首巻きを手に取り、
俺はその場に茫然と立ち尽くす。
(いつから?いつから記憶が……)
もしかして、最初から失って無かったとしたら……
ーーいつから俺が見えないの……
ーー…………目覚めた時からです。
もしそうだとしたら、
一体、どんな思いをして過ごしていた……?
俺が見えなくて。
子供達が見えなくて。
信長様達まで見えなくなって。
自分が仕立てた、
竹千代の晴れ姿が見れなくて……
「………俺は、俺は」
そんなひまりを抱いてしまった。
それを考えただけで張り裂けそうだった胸が、今度は壊れそうになる。頭の中が痺れて、何も受け入れられない状況に。
「……家康、お前が狼狽えては終わりだ。……ひまりを探しに行くぞ」
そう遠くへはまだ行っとらんはずだ。信長様の静かな声に、俺は崩れそうになった足に力を入れ……部屋を飛び出そうとした時。
「あっ!天女(あまね)ではないかっ!!」
竹千代が廊下でそう叫ぶのが聞こえ……視線を向ければ、廊下に佇む一人の女の姿。
「……ご無沙汰しております」
天女が頭を下げた瞬間、竹千代と時姫の膝がカクンと落ちる。突然、二人は目を閉じたかと思えば……ゆっくり傾く小さな身体。それを見て、俺は急いで駆け寄り抱き止める。