第123章 あなたにもう一度第三幕(11)
「………声を聴けば、優しい方なのは解りますから」
まるで俺の心を読んだかのように、そう答えるひまり。そう言ったひまりの声音が穏やかに感じれた。
「………俺、優しくなんかない。今だって本当は……」
ギリっと噛んだ下唇。
優しいなんてほど遠い。
こんな状態で触れる事は許されない。
それなのに自分の欲望に負け、胸の中に閉じ込め……それでも手が震えているのが解る……まだ迷っている証拠だ。
「……………」
ひまりは口を閉ざしたまま、俺の体からゆっくり離れる。そして、一歩一歩足元に気をつけて蝋燭の前まで移動すると……息を吹きかけ灯りを、消した。
一切光のない部屋。
シュルッ……。
衣擦れる音。
やっと
暗闇に
慣れた目に……
帯と着物が
床の上に
滑り落ちるのが見え……
思わず
ゴクッ、と喉を鳴らす。
ぼんやりと浮かんだ
何一つ纏わない
ひまりの後ろ姿。
背中の曲線美に、
熱が昇り
その艶姿に俺は手を伸ばした。
「ひまり」
甘い香りと柔らかい感触が、
俺の中の理性を奪った。