第1章 近くて遠い君 ※【黒尾鉄朗】
「あ…ごめん。まとめて洗おうと思ってた」
「……」
何か、機嫌悪い?
黙って洗い物を済ませた彼は、リビングに戻っていく。
修一さんの様子が気になったけど、取りあえずは料理を全て仕上げて、ダイニングテーブルに運んだ。
「ごはん、できたよ」
「……」
テーブルの上に、ハンバーグとサラダ、スープ。
修一さんがやってきて、二人で椅子に腰掛ける。
何か雰囲気が重い。
黙々と食べ進める彼に、思わず声をかける。
「味、どう?」
「…………スープ、味薄い」
私の方は見ようともせずに、そう言う。
明らかに不機嫌。
「……ごめんね。塩入れる?」
「あー、いい。……肉も何か硬いし」
「……」
それっきり、黙ったまま食事が続く。
何、これ…?
初めて手料理作って二人で食べて…。
何でこんな雰囲気になるの…?
私の料理がマズかったから?
キッチンを綺麗に使わなかったから?
そしてあなたは、何で私の方を見てくれないの?
泣きたい気持ちになった。