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フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第1章 近くて遠い君 ※【黒尾鉄朗】



「てっちゃん、ありがとね」

タクシーに乗る梨央ちゃんは、まだ俺のこと気にしている。

「いいから早く行けよ。運転手さん、音駒駅までお願いします」

車のドアが閉まる。
走り出すタクシーを、俺は見えなくなるまで見送った。


「……帰るか」


家までは歩いて五分くらい。
ボンヤリ歩きながら考える。
梨央ちゃん、すげぇ動揺してた。
お父さん、大丈夫かな…。

自分の部屋へ入ってすぐ。
開け放したままのカーテンの向こうでパラパラと雨が降り始めた。


それからしばらく。
梨央ちゃんからは、何の連絡もなかった。











その日はバイトが休みで、でも特に予定も入れてなくて。
俺は一人でフラフラ買い物をしていた。
服、時計、靴……色々見たけど気に入るものはなく、結局買ったのは雑誌一冊。
まあ無駄遣いせずに済んだんだし、良しとしよう。
帰り道コンビニに寄り、雑誌のお供にコーラとポテチを買う。
店を出てまた歩き出したところで、携帯の着信音が鳴った。

ディスプレイを確認すると、梨央ちゃん。

逸る気持ちで電話に出た。

「もしもし?」

『あ、てっちゃん?梨央だけど。今、いい?』

「ああ、大丈夫。コンビニから家に帰るとこ」

『この前は本当にありがとう。色々してくれて』

「んなこと気にすんなよ」

『ん…。あの、今時間ある?会えないかな?』

「いいよ」

『じゃあ私、てっちゃんちに向かうね』

「わかった」

通話を切って、携帯をポケットに入れる。

お父さん……どうだったのかな。

あの日の梨央ちゃんを思い出しながら、俺は家へと向かった。


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