第17章 彼氏トレード
事態がやっと終息したと思ったら…。
「姉ちゃん、今日は京治とデートしてくれるんだよね?」
「もう終了時間。」
「早く合流した分、延長してよ。今からどっか行ってとは言わないから、ここからは出てって。」
台所から、赤葦さんと共に追い出される。
みつが料理を続行したいだろう事は分かったから、居間に移動した。
「…りら。」
向かい合って座って数秒。
神妙な面持ちで声が掛けられる。
どうして、そんな顔をしてるんだろうか。
もしかして、さっきみつと2人きりで話したのは別れ話で、それを私に伝えようとしているのだろうか。
みつは、料理を覚えたい訳じゃなくて、赤葦さんが一緒に居るのが気まずかったから私と共に追い出した、とか。
「これからは、お義姉さんと呼んだ方がいい?それとも、今まで通り、りらでいい?」
様々な考えが頭の中を巡って、何も言えなかった私の耳に届いたのは、信じられない言葉。
これは、赤葦さんの方もプロポーズしていて、こっちは了解を貰ったって事だろうか。
「あの、それって…?」
確認の為に問い掛けると、肯定するように赤葦さんが頷く。
「俺の方は良い返事を貰えたからね。」
ニッと赤葦さんの唇の端が上がった。
この笑い方で、こんな事を言うのは嫌味だな。
私の方はお断りしたから。
「どちらでも構いません。お好きに呼んで下さい。」
終わらせた筈の、私と秋紀の関係の話。
それに引っ掛けた言い方。
苛々して、素っ気なく言い返した。