第6章 真珠を量る女(ロー)
「それにしても、貴方こそさっきの力はなに?」
「力?」
「手から青く光る輪を出していたでしょ」
「ああ・・・“オペオペの実”の能力だ」
するとクレイオは少し驚いたようにローを見つめた。
「貴方、悪魔の実の能力者だったの? 医者の貴方が“オペオペの実”を食べるなんて・・・なんという巡り合わせなのかしらね」
「巡り合わせなんかじゃねェ・・・」
“喜べ!! ロー!!!”
“「オペオペの実」が手に入れば!! お前の珀鉛病もきっと治る!!!”
「おれの大切な人が命がけで食わせてくれたものだ」
ローがそう言うと、クレイオはふわりと微笑んだ。
「・・・初めてね」
「何がだ」
「初めて、感情を込めて誰かのことを語った」
心をもらったと明かした時も、ローは淡々とした口調で、その人物にどのような感情を込めているかは分からなかった。
だが、今は“大切な人”とその人のことを呼んだ。
少しだけ心を開いてくれたようで嬉しい。
「───今日も刺青を?」
「それ以外にお前の所へ来る理由はねェ」
「じゃあ、今日はもう店じまいね」
“影響力のある人間”がバックについているという両替商。
それを営む女は、世界一の技術を持つ彫り師。
ローとクレイオは、偶然と呼ぶにはあまりにも運命的な力で互いに引き寄せられていることに、この時はまだ気が付いていなかった。