白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
「唇は大丈夫そうだけど…
舌は?」
『へ!?』
「診せなって」
クィッとあげられた顎
「ほら、舌出して」
唇にかかる長い指
ぶつかった視線は
私の頭の中を尽く掻き乱し
『…や、ヤダァ…』
集まりすぎた熱が
涙に変わって溢れてしまう
「ちょ、泣かないでよ…
別に変な事しようとしたわけじゃ
…って、前科者が言うな、だよね」
『ち、ちがう…
ただ、その…』
「無理しなくて良いって。
痛かったら氷舐めるとかして
冷やしなね
ほら、大丈夫だから
もう泣き止んで?
化粧落ちちゃうよ」
私の声を遮って
及川さんがハンカチで
私の涙を抑え
「…ごめん、ね」
ポツリと呟いた
違うのに
嫌がったわけじゃない
及川さんとのアレコレを
思い出して
恥ずかしかったのと
その続きを期待してしまってる
自分が恥ずかしくて
居た堪れなかっただけなのに…
「化粧直してくる?」
『はい…すいません
ハンカチ洗って返しますから』
伝えられずに
また距離は元通り