第25章 トド松とデートのような何か
それにしても、どこに行くのかしら。道順的に、まずは駅?
「トド松、場所は教えてくれないの?」
「ついてからのお楽しみ♪」
可愛らしくウインクをされた。うぅむ、あざとさは健在みたいね。
ヒントくらいくれたっていいのにな。よほど自信があるのかしら。
まぁこんな都会じゃ、楽しめる場所はたくさんあるもの。ただやっぱり、¨デートは得意¨発言がまだ心に引っ掛かってる。
6つ子はみんな童貞だっていうのは、チビ太からの情報で知ってはいるけど…彼らも20代前半の立派な大人。私が言えた義理じゃないけど、彼女がいたことくらいはあるんじゃないかしら?
そういう話を聞いたことはないけれど、彼らの学生時代は全く知らないから、可能性は0ではないはず。
私を想い続けてくれていたとしても、気の緩みくらいあるわよね。トド松がこんな性格になったのがいつからかは分からないけど、他の5人に比べたら女子ウケは良さそうだし…
「…あの、トド松」
「うん?なぁに?」
こんなことを聞くほうが今さらかもしれない。でも一度疑問に思ったことを無視できるほど、私はあっさりした性格ではないから。
「あなたって…」
ピロリン♪「「!」」
切り出そうとしたその時、彼のポケットに入っているスマホが鳴った。
「メッセージかな?」「いいよ、見ても」「そう?」
彼はスマホを確認すると、
「…!!」
何やら声にならない声を上げ、物凄い早さで文字を打ち始めたかと思えば、終わったと同時に素早くポケットにしまいこんだ。
「…トド松?今のは…」
心なしか顔色が悪い。冷や汗まで滲んでいる。一体誰からだったんだろう。
そう思って問いかけても、彼は固く唇を引き結び、口を開こうとはしない。…ますます怪しいわ。
「トド松」
「……ご、ごめんちゃん。気にしなくていいから、早く行こう」
「スマホ見せて」
「え?な、なんで?」
「やましいことがないなら、見せられるわよね?」
冷や汗をだらだらと滝のように流しながら、彼は咄嗟にスマホの入ったポケットをガードする仕草を見せる。…あー、これは確信犯ですわー。