第10章 9 Melody.
マネージャーがブツブツ言ってた事なんて知らない私はレッスン室へと逃げ込んだ。
昨日の昼間もひたすらここでステップを踏んでいたけど、まだまだ足りないなと思う。
もっと完璧にしてからスタジオ入りしたい。
休んでなんかいられないんだ。
(出だしはもう少し大きく動いても良さそう……)
「んー」
「りん!!大ニュースだぞ!!」
「えっ、環くん……?!」
「王様プリンに、いちご味が出た!!」
(……いちご?)
「そ、そうなんだ……美味しそうだね」
「りん、一緒に食おうぜ!」
「こら環くん……!プリンは後にして……!」
あの環くんをここまで元気にさせる事ができるとは……王様プリン、恐るべし。
それにしても前にチラッと「私も王様プリン好きだよ」って言ってから、何かある度にこうしてプリンを持ってやって来るようになったのだが……
壮五さんは何かと大変そう。
「今食わねーでいつ食うんだよ!!」
「ちゃんのサポートが終わってからでも遅くないよ!」
(サポート……?)
「あの壮五さん……サポートって……」
「おせーよ!!プリンがあったまっちまうだろ!!」
「冷蔵庫に入れておけばいいだろう?!」
(……入る隙がない)
ほら、直ぐ衝突しちゃう。
お互いタイプが違うから、仕方ない事なのかもしれないけど。
でも2人の歌声はとてもピッタリで私は好き。
ハモりとか綺麗だし。
この先ハモりを入れる曲を貰ったら是非見習いたい。