第17章 代償(R18:孤爪研磨)
「お迎え、別に、……違うし」
黒尾くんと、私。
その両者を交互に一瞥して、少年は俯いた。遊びにいく約束してたから。ちょっとむくれた唇がそう零している。
うちは某有名大学病院だ。
要するに待ち時間が長い。
もう、馬鹿みたいに長い。
自分が患者だったら軽く発狂するレベルである。
そういう訳なので、待合室で寝てしまうご老人のまあ多いこと。
小さな子はぐずって親御さんをパニックにさせるし、クレーマーはそれこそ発狂して順番はまだかと怒鳴り散らす。
そんな姿を日々、嫌というほど見ているからだろうか。
「そんな怒んなよ研磨」
「別に、怒ってないし」
「怒ってる」
「怒ってない」
「ってる」
「ってない」
「 」
「クロしつこいし、ウザい」
「まだ何も言ってねえよ!」
友人に待ちぼうけを食らってむくれている彼が、とてもいじらしく思えた。