第65章 千年血戦篇
空が騒がしい。
晴天無風なのに言いようのない胸騒ぎを感じていた。
「十三番隊の二人体制での現世任務、今夜から始まりますね。」
本日の駐在担当は石丸キリと、彼女を班長とするグループ。
「現世における東梢局管轄の全てのエリアの重大案件は一番隊が担当する。わかってはいましたが、最近は抱えるものが多くなりましたね。」
「だから駐在の人数を増やして班での編成にしたの。」
「みんな現世に行ける回数が増えるって喜んでいます。遊びじゃないのに。」
「……気の所為だといいんだけど。」
「何か言いました?」
「ううん。キリちゃん、ちょっと皆でパトロールしてきてもらえる?」
「わかりました!地理も覚えてもらわないといけませんものね!」
キリちゃんが班員を連れて出ていくのを浦原商店の屋根から見送った。
ここの地下の勉強部屋の一部が拠点となっている。あれから喜助さんとは何も無いし、私も私で心にしこりはあるけれど、一旦置いておくことにした。彼の心に整理が必要なら、私は待つし。私自身にも時が必要なのかもしれない。幸にも、時間はある。少しくらいそんな期間があってもいいと思うのだ。
「……キリちゃん、聞こえる?ちょっとさ、空座町だけじゃなくて近隣都市もパトロールしてもらえるかな?」
やっぱり胸騒ぎがおさまらない。なんだろう表現しがたいこの違和感。
『隊長、総本部より共有伝令です。』
「リンね。あとでタブレットにも記入しててね。」
共有伝令は、護廷十三隊のどこかの隊に特別な任が降りた時、もっとも隊首会を開くまでもないようなことだけれども、共有しておきたいことがあった場合に流れてくる。最近でいえばロンドンでの任務とか完現術者との戦いもそうだった。
『十一番隊です。西流魂街、六十四地区 錆面 に 席官を派遣。失踪事件ないし、魂魄消失が確認されたとのことです。』
魂魄消失、この言葉に私はかなり弱いらしい。
「それ、ってさ。」
『今のところは知っておいてねという事なのですが、引っかかりますよね。』
「私、尸魂界に戻ろうかな。」
『戻ってきてもいいですけど、レミリアちゃん、技術開発局に行ったきり帰ってこないし。』
「え?なんで。」