第64章 original~如何にして個とするか~
むり、もうむり、死んでる。むりです。もうむり。
幸か不幸かしんどすぎて、喜助さんのことを考える余裕なんてこれっぽっちもなかった。
「隊長〜!大変そうですね!」
窓からダイナミックお邪魔しますをしてきたのは、リンだった。
「怪我したって聞いたよ……おえっ」
「おえっ、嘔吐かないでくださいよ。いやぁ、死ぬかと思いました!」
「死ぬかと思ってる今。」
「一応あの案件、終わりましたよ。平子隊長が後のことしてくれましたー!で、これ報告書です。」
「むり、見れない。」
「読み聞かせしましょーか?」
首を振る。
「それにしても思ったより元気そうでなによりですね!」
「どこが!?おえっ」
「魂魄無事そうで!」
「魂魄はね。」
「傷はどうです?」
「痕残ったら織姫さんにお願いする。……むり、吐く。」
「やめてくださいよー!!とにかく、思ってたよりかなり厄介でした。平子隊長もいま治療中ですからね。」
「平子さんが?」
「はい、もう大変でした。藍染との戦いよりやばかったです。」
「生きてて良かったね……」
「ほんそれです。じゃあ私はこれで。」
「天月ちゃんに肉体に効く解毒剤あるか聞いてみてー」
「肉体に効くのですか?聞くだけ聞きますけど無理でしょう。」
リンは鏡の中に消えていった。
私が戦線離脱したあと、ポールがかなりごねたらしい。しかも思っていたよりサバトの組織が大きくロンドン各地に同じ思想のサバトがあったそう。うちの機動班を駆使して全組織を壊滅させたが、そこの中心であったサバトが、本当の黒魔術師の集まりだったという。呪いだとか、魂を溶かすとか、色んな術でリンやルキアたちを翻弄したという。結局は、平子隊長が卍解して鎮圧できたそうな。
「いやむり、吐く……」