第61章 original~尸魂界西梢局篇~
英字新聞をそらで見つつ部屋に戻る。
「ポインティちゃん、それ読めるんか?」
「はっはー、まったく。」
時計を見ると19:50 リンは髪の毛を乾かし終わって顔にペチペチ乳液を叩いたり、トリートメントをしている。
「今から寝るんじゃないのに。」
「ここのアメニティすっごいですよ!今晩から霧が凄いですし、隊長もトリートメントつけておいた方がいいですよ!さらさらになります!」
良い香り。めっちゃ見たことある高級ブランドのトリートメントだった。後でもっと付けよっと。
「お前ら、今晩からちょっと寒なるらしいぞ。なんか着ていけよ。」
間もなくして迎えが来た。
「0:00までに帰れないのか?」
「ダメだ。」
「明日は13日なのに。日付跨ぐまえに帰りたかったな。」
「何も無いことを祈れ。」
ナンシーとポールの会話だ。13ってやっぱり嫌な数字なのかな。
「2人はご飯食べた?」
「ああ、そこの屋台でな。」
申し訳ない、私たちは良い思いをさせてもらってます。
「正直、ポインティやリンのような子どもや女のナンシーを夜遅くに1人でウロウロさせられない。」
「あたしは部下といる。心配いらない。」
「私だって子供じゃないし!こう見えて97歳になりますー」
「わっっっか、そんなん、まだ子どもやん!ほな、俺が隊長してたときはまだ生まれてなかったんか!?」
尸魂界において年齢の概念はあまりない。採用書類等に年齢を書く欄がない。そのためリンの年齢は初めて知った。
「きゅ、きゅうじゅう?」
ナンシーがめっちゃ驚いているが、構わずリンは続けた。
「私は義骸を脱いでいきます。それなら一般人には見えません。」
「じゃあ私もそうしようかな。」
「いや、ポインティはそのままでいた方がいい。魂魄の彼らと、肉体を脱げない僕達、そしてポインティ。なにか違う気づきがあるかもしれないだろう?」
「そうかもね?」
霧の深く、雨が降り始めた宵の頃。
私はイギリス、ロンドンの街に溶けいった。