第59章 original〜魂魄の底〜
そういえば今のところ思い出した記憶は全て良いもの?……ではないか、喜助さんが捕らえられたときのこと思い出したし。なんだろ、自分の悪い部分に関しては思い出せてなかった。蓮美の短所的な記憶も今後思い出していくのだろうか。つまりそれは私の性格でもある可能性が高い。魂が一緒である以上環境的要因によって形成された人格以外はほぼ蓮美と変わらない。
「嫉妬深い女にならないようにしないと。」
そう口に出した時、気付いてしまった。
それって、蓮美の存在とは違うものになろうとしてるのか。それなりに嫉妬もする蓮美。彼女は過去の私であるのだが、そのようにならないようにしないとと思っているということは心のどこかで蓮美は私ではないと思っているのかな、と。
「難しいこと考えるのはよそう。なによりも、私には過去の記憶がある。魂の性質も100%同じ。蓮美は過去の私なんだ。」
言い聞かせるように呟いた。何故言い聞かせる必要があったのかわからないけど、繰り返し呟いた。