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【BLEACH】

第55章 完現術篇 序



魂魄のままで、ひょこひょこと歩き、浦原商店へ歩いていく。



「佐伯ポインティ、かな?」


突然、声をかけられて振り返った。すれ違った男性から名前を呼ばれたのだが、よく考えたら魂魄の状態。私を認知することは不可能と思われるのだが。


「えっと……」

小説を書くお笑い芸人をかっこよくしたようなサスペンダーの似合うお兄さんに声をかけられた。手には文庫本がある。

「どこかでお会いしました……?」

生身の肉体に見える。とはいえ、私は他の死神に比べてそういうのには疎いので、精巧に作られた義骸と言われたら信じるだろう。

「うん。僕はずっと昔から君の味方だろ?」
「んんんんんん?」


えっ、なに、#ずっと昔 とは。それは、いつを指しますか。中学?小学?幼稚園?まさかの蓮美時代からの友人?そんなことある???

と、次の瞬間、驚くべき光景が目の前にあった。


私の胸の辺りに日本刀のような刀が刺さっている。

油断していた、しかしなによりも殺気が全く感じられず、警戒できなかった。この人は、人であると、我々死神が守るべきひ弱な存在なのだと高を括っていた。

「僕らは、尸魂界で兄妹も同然だったね。僕がこっちに来てからは、離れ離れになったけど、2年前に尸魂界で再会したよね。朽木ルキアの救出に、一護たちと同行した。その時に向こうで君と再会したんだ。」

彼の言葉がすうっと脳内に響き、反響する。

ちょうど最近経験した、記憶に霞がかかって曖昧になる現象が起こる。

目の前にいる人は昔から私のことを知っている。

家族のような関係だった。兄妹のような関係だった。

「……秀さん?」
「そうだよ。君の、かつての兄。」

途端に記憶が鮮明になった。この人は、私にとってかけがえのない人だ、そう思った刹那、その感情、記憶が素早く溶けだし、目の前にいる、月島秀九郎と談笑を始めていた。

「大虚なら私が倒したよ。」
「そうか。さすが、ポインティだね。」
「秀さんに褒めてもらえると、もっと頑張ろうと思える。」
「どこか行こうとしていたんじゃないのかい?」
「あ、忘れてた。浦原商店に行こうとしてた。」
「なにか調達でも?」
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