第54章 original~反実仮想篇~
「特異な者は孤独な者が多いと聞きます。羨望、憧れ、それが嫉妬になり、人は避けていく。もしくは上位の存在として一線引かれてしまう。貴女は特異な存在であるにもかかわらず人を惹きつける。」
「自分のことを特異と思いません。」
「十分特異な存在ですよ。死神としての素質と才を兼ねた方だ。高みへ行ける力があるのに何故上らないのかと疑問に思っただけです。」
「死神が高い存在というのは驕りではないですか。」
「今の言い方ではそう聞こえてしまうのも無理はないですね。いえ、もっと簡単に考えてください。貴女の力を発揮でき、さらに高める場があるのに何故、そこへ行こうとせず、講師という立場でいるのか。生意気なことを言いますが、僕には大変勿体ない事だと思えて仕方がないのです。」
「私は講師でも死神でもなんでもいいんです。ある人の背中を見て……いや、隣に立っていたいですから。」
「それは浦原隊長でしょうか?」
「そうですね。」
彼はふっと笑い始めた。
「隣に立ちたいのならば、やはり死神になるべきでは?」
「そうですね。では、真央霊術院の入学試験受けてみましょうか。」
「卒業したあかつきには、是非五番隊に来てくださいね。」
話しているうちに隊舎内に到着した。
何事も無くここまで来ることができてよかった、と心底安心する。
「そこでお待ちください。平子隊長を呼んできます。」
暫くすると、平子隊長がやって来た。
「惣右介とここまで来たって?どないしたん。」
「お仕事中すいません。」
「かまへん、もう上がるところやし。」
「藍染副隊長は?」
「あいつ夜勤やからな。執務室居るんちゃう?あいつがなんかしたか?」
「いえ。門まで送ってくださると言われたのですが……ちょっとその……」
長い髪の毛をだらんと流して、ニヤリと笑う。
「あぁ〜俺のが良かったわけか。」
「今日ばかりは。」
すると、近くにいた死神に俺、上がるわ。などと言ってそのまま隊舎の外へと出た。
「喜助は〜調査任務やからな。」
「そうみたいですね。」
「家に帰るんか?」
「……」
私の顔色がまだ悪かったようで、体調悪いのかと尋ねてきた。
「実は」
そう言って藍染副隊長から感じたものをそのまま伝えた。