第52章 original~空座町怪死事件篇~
「でも、新たな発見だったなぁ。死神は今のところ100%の苗床適合率だもん。それに卵の成長も最短1時。人間に植え付けた卵が50年経っても孵らないこともあるのに~!」
「この人に理屈は通じないッスよ。ポインティサン。」
アリカは鼻歌を歌っている。
「貴女のしていることは人道に反します。尸魂界はそれを黙認できません。今から貴女を尸魂界の危険因子として捕縛します。抵抗しないのなら手荒な真似はしません。」
「はぁ?誰に向かって指図してんの?アタシより年下でしょー?頭悪そうなクソガキが。なぁにが尸魂界だよ。あの死神を見る限り、無能な集団だろ?無能なクズがエラそうにムカつくんだよ!!」
「貴女の研究への熱意、アタシは敬意を払います。アタシも科学者の端くれッスから。」
「だろうねぇ。アンタの持ち物から色々分析したよ。あれ独自のものばっかでしょ?」
「ええ。」
「はぁぁ。アンタの頭もママの横に並べてあげたらよかった。」
「それはそれは恐れ多いッス。」
そう言うと、喜助さんは動いていた。
「えぇ、あたし、そーゆーの苦手なんだけど!」
アリカは普通に避けて逃げる。
相手が戦術を知らないなら私だって組み付ける!!
「ええぇい!」
アリカは走り回って行く中で、何かを割った。
ガラスを割ったらしいが、そのなかに赤黒いゼリー状のなにかがあった。
それはむく、むくと、膨れ上がり人の形になった。赤黒い液状に近い肉片は、腐臭を漂わせ、ダラダラと液体を垂らし、口と思われる部分からフシューという不気味な音を出している。
こういうのは生理的に受け付けない、しかも素手でなんて無理!
「あのぅ、斬魄刀の場所とか教えてくれませんか?」
「は?あの刀?教えるわけないじゃん!!ちょっと、いつまで立ってんの!あんたの敵はそいつら!!あ!殺さないでね!!動けなくするだけでいいから!!」
肉片はノーモーションで、胸や腹から肉片が触手のように伸び、私たちを狙った。
「……ッ」
喜助さんが蹲る。
「え、喜助さん当たった!?」
喜助さんの動作が遅れたようだ。
「んんんんんっ生理的に無理……!!」
そう言いつつも伸びる肉塊を避けながら、本体に近づいて殴った。