第51章 original~投獄篇~
喜助さんは腕を組んで話し始めた
「皆さんの知り合いで護廷隊を脱退した人、いらっしまいますか?」
「あぁ、いるってのは聞いたことあるぜ。」
「本来、護廷隊に脱退の制度はありません。個人の事情で止むを得ず隊を離れる場合は"休隊"それが長期に渡り復隊の目処が立たない場合は"除隊"という形になります。隊士自らの意思による脱退は認められていません。」
「でも、脱退した奴がいるのは確かだぜ。」
「"脱退"とは"特別監理化"を意味します。脱退を通告された隊士は全員、強制収容されるんス」
「はぁ?なんだそれ」
「"特別監理化"される者は、護廷隊に入隊したものの思想や行動に於いて他の死神に危険を及ぼす、または隊の業務に支障を来たす恐れがあると判断される隊員。彼らを事前に調査して捕縛し、監視下に置くんッス。その為の施設が二番隊隊舎、隊舎敷地内の北西、幅三十間の巨大な堀の奥にあります。その名称は『地下特別監理棟』その通称が“蛆虫の巣”」
二人共、蛆虫の巣以前に尸魂界にそんな施設や、そんな決まりがあることに驚いているようだった
「どうしてそんなものが…」
「『護廷十三隊は高尚な組織。そこに一度合格した者の中から不適合者など出てはならない。』それが瀞霊廷を治める四十六室の考えだからっス。だから“不適合”となりそうな“危険分子”は脱退として極秘裏に処理され、蛆虫の巣へ収容されるんッスよ。」
「なんだよそれ、そんなことが行われているのか。」
「ヤな話ね。あたしもそこまでは知らなかったわ。てっきり軽犯罪を犯した者の監獄かと思ってた。」
「なんの罪もない者を閉じ込めてる、ということなのか。」
「えぇ、その通りっス。蛆虫の巣にいるヒト達は何も悪さはしてないんスよ。彼等は瀞霊廷の定めた規定で“危険分子である”と判断された人たちっス。罪を犯した訳じゃないから裁くことはできない、だけど野放しにしておくと危険“かもしれない”。だから閉じ込めておくんス。」
「…それでも、蛆虫の巣から出て活躍している人だっています。涅隊長や三席の阿近さんは蛆虫の巣にいた人たちなんです。」
「…あーなんか……なるほどなぁ」
「確かに、危険分子…」
「蛆虫の巣って、改心したら出られるの?涅隊長が改心したように思えないけど。」