第9章 Prologue:怪しい駄菓子屋
この人はただの人間ではない。
尸魂界、死神、護廷十三隊の存在を知っている。
今の言葉から、護廷十三隊と何らかの関わりがあることもわかった。
彼も死神なのだろうか?しかし、こうして現世にいるということは訳あり?そう、例えば尸魂界から追放された、とか。
それとも、私と同類なのだろうか?
「事情通、というような感じがしますね?」
「怪しいッスか?」
「怪しさはMAXですよ!」
「そんな人にペラペラと話すアナタもどうかと思うッス。」
確かにそうだ。でも、この人に話しても問題ないと直感で感じた。
「店長は敵意が無いし、悪い人じゃないと思います。それに、なぜだかついポロッと話してしまうような、稀にいますよね、そういう人。」
「会って数回の人間を信用してはいけませんよ~」
「じゃあ、店長は悪い人ですか?」
そう言うと、急に真剣な顔をした。
「えぇ、極悪人ッス。」
声と表情のギャップに思わず背筋が伸びた。
しかし、それは一瞬で崩れた。
「ジョーダンですよ!」
ケラケラ笑う店長に思わず『笑えるか!』とツッコミを入れたくなった。
「アナタの素性ばかり聞き出すのはフェアじゃないッスね。実は…表向きは駄菓子屋ですが死神にとって有益な道具を売ってまして。」
「道具?」
「記換神機などお安く取り揃えてます。ここだけの便利グッズもあります。」
「記換神機?技術開発局が売ってるもの?あれには何度かお世話になりました!」
受ける側で。
「尸魂界の貨幣を現世のものに変えることもできるッス。」
「え、うそ、ほんとに!?うわぁ、ありがたい!!」
「困った時は頼ってください。力になれることがあれば協力します。」
「めっちゃ力強いですね!!」
「お邪魔しました!」
彼女が去った方をぼうっと眺めた。
ポケットに忍ばせた簪を取り出す。
それをぎゅっと握りしめ再びポケットにいれた。