第37章 過去編~交差~
「お前な、ウチより適任おったはずやろ…」
昼下がりの午後の休憩中に、何故か不機嫌そうなひよ里を捕まえて昨日のことを相談した。
「なにを迷うことあんねん。てか、何に悩んでんねん。言うたらそれ、告白やろ?答えはyesかnoやん。それに、ほぼ一択みたいなもんやし。」
「そうなんだけど……」
喜助さんのことは、好きだ。好きだけど……
朝から何をしていても集中できない。
私が唸っているのをひよ里は快く思わない様子だった。
「喜助おるか~?」
ひよ里の苛立ちを感じ始めた時、室内に響いた声の主は開け放たれた扉から部屋を覗いていた。
「あ、またサボりに来よったな!アホ真子!」
苛立ちを平子隊長にぶつけたのか、いつもより声が張っている。
「阿呆!技術開発局に依頼してた諸々の経費稟議届けに来たんじゃ!」
「隊長自らご苦労様です~」
と嫌味っぽく言い返し、
「もっと心の底から言わんかい!!」
といつもの言い合いが始まる。
「あーの〜二人とも?」
ひよ里の積もった苛立ちのせいで、いつもより被害が出そうだったので、仲介を試みた。
「あ、せや、昨日ありがとうな~」
ひよ里に顔を踏まれながら平子隊長は私の方に視線を向けた。
「楽しかったです、ありがとうございました。」
「お前が余計なことするから!ウチは色々大変やったんじゃボケェ!!!言うてたらアイツ来たぞ!」
喜助さんの霊圧が近付いてきた
朝起きたらメモと料理だけ残して出勤してたし、あれから顔を合わせてない。
今は顔を合わせないようにしたい、が。
平子隊長が廊下に顔を出し、手を挙げた。
「よ~喜助!探しとったんや!はい、これ例の経費の書類。ここんとこ、判子してくれんか?」
「わざわざすいません~」
まだ声は遠いがすぐそこにいる。
私は無意味にパタパタと手を動かし、何かしようと辺りをキョロキョロと見た。
「まだ休憩やし、ゆっくりしときぃや~」
「うん、でもお掃除しなきゃだし、準備早めにするのにこした事はないでしょ、ひよ里、なにかすることある?」
「…はっはーん、ポインティ。喜助が来たから挙動不審になっとんか?」
とニヤリと笑った