第37章 過去編~交差~
「喜助さん、今度の研究ってなに?」
一人、研究室で閉じこもる喜助さんに尋ねた
「死神を強化する物っス。」
と、ガラス越しにその物を見せてくれる
小さなガラス玉のような物
そこからの威圧や圧迫感に押されそうになった
「なに?これは……」
「まだ完成しきってないのにこの力…もしこれが使える様になれば死神は虚の力を得てワンランク上の存在になることが出来ます。」
「虚と死神?そんなことできるの?」
「はい。名を"崩玉"」
「すごい発明じゃない」
「新しい何かを造りたい、これは僕の想いの結晶です」
私はそれの恐ろしさがわかっていなかった。
この時点では彼もまだわかっていなかったように思う。
「ずーっと研究してるんッスけどね。なかなか上手くいきません。」
とその崩玉を見つめた。
「あ、そうだ、テッサイさん、覚えてますよね?」
「よく、夜一さんの屋敷にいたおじ様?鬼道衆のトップの人よね。」
「はい。彼が貴女をスカウトしてきましたよ。」
「スカウト……?私が?」
「……転生を望むならならない方が良いでしょうけどね」
もはや私には転生とか転生しないとかあまり関係無かった
どちらかと言えば
喜助さんの傍にいたい
それが出来るならば何でも良かった。
「鬼道衆……か…… 」
すると、崩玉の力がぐんっと上がった
「なに?!」
「制御を行います……」
と言ったが、それは一瞬で元の力に戻った
「何だったんでしょうか」
崩玉を厳重に保管する
「ま、気になさらず!ささ、ご飯食べに行きましょ〜!」
「飯やて!奢れや喜助ぇぇぇ!!」
とひよ里に蹴られる喜助さん
「ポインティ!何食う?」
「おうどんとか……」
「っしゃ決まりな!!!行くぞぉぉ!おう、阿近、喜助が奢ってくれるってよ!!着いてこい!!!」
結局、鬼道衆の話も断った
今なら思う
喜助さんの心配する気持ちもわかるけど
死神になって、喜助さんと同じ目線に立って支えたかった
私を準局員として置いてくれてるけれど、一般隊員と一線置かれてる。
今更、真央霊術院に通って死神になっても仕方ないか。