第35章 過去編~十二~
「え!?聞いてない!!」
「今言いましたもん。」
久しぶりに会った喜助さんは隊首羽織を着ていた
「いつ隊長になったの?!」
「ほんの数日前ッス。でもなかなかね~」
二番隊の時よりお疲れモードの喜助さん
「どうっすか、講師の方は」
「いつもと変わらずよ。でも隊長になったらそういう指導しないといけなくなるんじゃない?」
「僕にはポインティさんのような指導力ありませんからね~」
「えぇ?!そんなことないよ、私は喜助さんに鬼道おしえてもらったから今、講師をしてるのよ?」
「いいえ、半分以上はポインティさんの力っすよ」
「そんなことないのに。」
久しぶりにお互いが家でゆっくり出来ているのに喜助さんはため息ばっかだ。
「そーそー。聞いて、喜助さん」
「なんスか?」
「私、講師やめて、生徒にならないかって言われたの。」
「……え?」
「死神にならないかって。特待生にしてくれるみたい。」
「なんて言ったんスか。」
「断ったよ。」
喜助さんはその表情のまま目をぱちくりさせた
「え、嬉しくないの?」
「いや…どうして?」
「喜助さん、死神になって欲しくないんでしょ?」
「いや……そうッスけど」
「だって、死神になったら転生できなくなるし。死神って死んだら霊子になって、尸魂界を構成する物質になる。やだよ。私、転生したいもん。あ、でも私は喜助さんが死んでから転生しますから。」
「いつになるんですかそれ……それに、自分の意思じゃ決められませんよ」
「まー死神興味あるけど~。霊子になるのはねぇ~」
「ポインティさんが決めたことならいいっすよ。僕がとやかく言う事はできませんからね。」
「そーゆーこと!あ、そうだ、隊長昇進祝いしなきゃ!待ってて、お料理作る!」
彼女はいつかした約束を覚えているだろうか。
"いつか僕のお嫁さんになって暮らす"
しかし君は霊子にはなりたくないという。
ここで死神との子どもを生めば、転生される確率は低くなる。
……どうしたものか。
僕の気持ちより彼女の気持ちを優先すべきっスよね