第34章 過去編~茶話会~
「蓮美先生は霊力の扱いが上手い上に、霊力の保有量も多い。これは死神の素質が高いことを意味する。」
「剣術や体術、また戦術や人格。霊力が高いだけでは死神になれません。」
「自分の直感ではあるが、磨けば秀でると思うのだ。」
「先生、私を死神にしたいのですか?」
と笑ってみると、肯定された。
「貴女のような人は護廷隊を引っ張って行くべきだと思うよ。ここでの指導をみて、その素質があると思った。ここで、講師として身を置くのは勿体ない。今の1年生が卒業する次年度に真央霊術院入学試験を受けてみるのはどうだ?特待生として迎えよう。斬術に不安があるならば、鬼道衆としての道を拓くようにする。前向きに検討してみてはくれないか。」
「クビにしたいなら、そう仰ってください。」
「そういうわけではないが……」
「私は死神になりたくない理由があるんです。」
「強い意志があるならそれを曲げさせることも無いか。分かった。今の話は忘れてくれ。」
そう言って、校長先生が私にお饅頭を渡した。
「美味しいお饅頭が入ったんで、お茶にでも誘おうと思ってここまで来たんだ。しかし、先生には強力な番犬がいるからね。誤解されたら困る。」
「喜助さんはそんなにやきもち焼きではないですよ?というか、そういうのじゃないですし。」
校長先生も掃除を手伝ってくれて、今日の仕事を終えた。
恐らく、今この話を断った時点で死神という道が完全に断たれた。思うことはある。でも、死神にはならなくていい、ならなくてよかったと思える時が来る自信があるのだ。