第26章 服従
「君が満足した、という証だよ。」
この人の言葉で絶望に陥るのは何度目だろう。
湿り気を帯びた瞳に思わず目をそらした。
それと同時に罪悪感に苛まれる。
私のなにかが壊された、バラバラになった。
その欠片たちを土足で踏み抜かれた。
こんなんじゃもう、みんなに、あの人に逢えない。
こんな私、見て欲しくない。
「シャワー室はあっちだ。着替えも用意してある。」
「ありがとう、ございます」
バスローブを羽織り、ベッドから降りる
しかし、力が上手く入らない。よろよろと力無く歩みを進める
この水と共にすべてを流せたらいいのに。
なんで私はここにいるの。
選択肢を用意されてたのになぜ残ったの。
愚かだ。
私がここにいることを決めたんだった。
そんなこともきっとあの男の計算のうちだったんだろう。
水だけを浴びて、濡れた髪の水気を軽く絞って、あの男の御前に立った。
「そろそろロリとメノリが来る。君は帰りなさい。」
「はい。」
私はふらふらと廊下を歩いた
「ちょっとあんた、なんでこんな時間にこんなとこ歩いてんの?!」
「髪の毛濡れてんじゃない、まさか、藍染様の部屋から出てきたんじゃないんでしょうね?!」
私は2人の話を聞くことなく通り過ぎた。
「無視してんじゃねぇよ!!」
襲いかかってきたロリに私は白雷を放った
「これで正当防衛~♪メノリ!やるよ!」
「前の仕返しだな!」
「やめてください。わたしは、貴女たち2人とも殺そうと思えば一撃で殺せます。」
「ふざけたこと!!」
「破道の八十…… 」
「メノリ、ロリ。3分の遅刻だよ。」
廊下から現れた人影に2人は驚いた。
「あ、藍染様!!」
「申し訳ございません!!!」
「構わない。僅かな時を無駄にされたことごときで怒るほど短気ではないからね。しかし―学ばない子は必要ない。 二人とも、何をしていた。」
「あ、挨拶……ポインティに挨拶をしていました。」
「そう、挨拶です。」
「…………そうか、随分と仰仰しい挨拶だね。まぁいい。部屋へ来なさい。」
「かしこまりました」
藍染が闇の中へ去っていくのを見て
私も部屋へ戻った。