第19章 揺らぐ想い
家って言ってたけど……
雛森さん、五番隊の隊舎の寮で暮らしてるんだっけか?
朧気な記憶で歩いていると、ちょうどいい人物に会えた
「やだぁポインティじゃないの。どしたの?こんなところで。」
「おおお!乱菊さん、ナイス!雛森さんにおつかい頼まれたんですけど、お家わからなくて」
「家わかんないのに承諾したの~?」
「つい……」
と苦笑いを零す
「あの子、隊長におつかいとか、いい度胸してるわね~」
いや、人の事言えないですよね?
という言葉を飲み込んだ。
「ん~そうね、隊長の雑用よりこっちの方が大事よね~いいわ、一緒に行きましょう。」
冬獅郎、ごめん!!
とりあえず、謝っとく、ごめん!!
五番隊の隊舎はあまり活気が無かった
「こういう時こそ副隊長がしっかり隊員を引っ張らないといけないってのにね~」
ギン隊長が去ってからも乱菊さんは変わらず笑顔だ。
絶対に悲しいはずなのに
「こーこーが雛森の部屋。」
五番隊副隊長は代々隊舎内に一軒家を与えられているそうだ。雛森さんも例外ではない。
「さて、さて、人の家荒らしにいくぞー」
「やめてください!」
部屋は綺麗に片付いている。
聞けば、あまり帰宅する事はなく、普段は隊舎内にある副隊長室で寝泊りしているんだとか。
「♪~」
乱菊さんは鼻歌を歌いながらこそこそとしている。
もうわたしは知らないからな……
箪笥に手をかけ羽織を幾つか手に取った。
暗い部屋。
和室であるにも関わらず、雛森さんらしい部屋だと思った。
棚の上には写真が飾ってある。コルクボードには重なり合うように写真が貼ってある。
それは、真央霊術院の時の物だったり、副隊長になってからのものだったり。やはり、藍染との写真が多いように感じた
桜の樹の下で優しそうに微笑む藍染の傍らで嬉しそうにカメラに顔を向ける雛森さん。
雛森さんを傷つけた藍染が許せない。
腸が煮えくり返りそうだ。
思わず写真に手をかけ、破きそうになったがやめておいた。
「やっぱり良くないよね。」
すると、一枚の写真が床に落ちてしまった。
それをすくい上げ、月光の薄明かりに照らす
それは古いもので雛森さんは真央霊術院の制服を着ていた