第18章 それぞれの準備
結局、四席と五席は卍解の習得が出来なかった。
しかし、それぞれ、具象化はできるようになったという。
それだけでも大きな進歩だ。
私は、尸魂界へ戻って総隊長に報告しようとしたが、やめた。
やはり、みんなが卍解を習得してから報告したい。
私は自らの隊に救護班を設けた。
もちろん、前線に出ないとか、後方支援だとかそういうものではない。
ただ、救護に特化した人間を隊の中で増やしたかった。
救護班として動くのではなく、ある程度の救護ができる人物を各部署に配置することが目的である。
各部署から、志望者や鬼道の上手い人、回動が得意な人、
元四番隊の隊員を集めた。
元四番隊隊員を筆頭に指導を行ってもらっている。
そして私は四番隊から虎徹副隊長を特別講師としてお呼びしたいと思い、四番隊へ足を運んだ。
「えぇ!?私が講師!?」
「お願いしたいんですが……もちろん、お忙しいのは重々承知です。」
「でも私なんかが……」
「勇音。」
卯ノ花隊長だ。
「行っておやりなさい」
「ですが、講師なんて……」
「隊の中で救護ができる者を増やす、素晴らしいことではありませんか。救える命も増えることでしょう。協力なさい、勇音。」
「わかりました。私でよろしければ。」
「ありがとうございます!!」
私はそのまま、入院中で面会制限が解除された雛森さんの元へ向かった。
「雛森さん…お元気ですか?」
「ポインティちゃん、その羽織……」
「あ、隊長になってから一度も顔を見せずにすみません。」
「ううん、私こそ、任命式出られなくてごめんね?」
「いいえ、早く元気になってくださいね。」
数分、たわいもない話をした。
尊敬し、憧れている人を失った悲しみは大きい。
笑っているけれど、心はひどく傷ついているようだ。
私には聞きたい話、蓮美ポインティについて聞いてみたかったが、もう少し様子を見よう。
「あのね、お願いがあるの。」
「何でも言ってください。」
「最近、ちょっと肌寒くて……羽織るものを私の家から持ってきてほしいの。本当にごめんね。まだ外出出来なくて。こんなの頼めるのポインティちゃんくらいしかいないし…」
「お易い御用ですよ。」
「隊長なのに遣わせちゃってごめんなさい。」
「明日中には届けますから。」
私は仕事の合間を縫って雛森さんの家に行った。
