第16章 自分に勝つ
「俺らも死神やったんや。やけど虚の領域に足踏み入れた。その時点でもう死神やない、ええか、もう一度言うで俺たちは『仮面の軍勢』や。」
「仮面の軍勢……」
「まぁ見たところ、ポインティちゃんの中におる虚はまだ覚醒しきってない。例えるなら寝惚けてる状態や。わざわざ覚まさせる必要あらへんやろ。」
「それでも、最近、虚の気配が纏わり付く感じがして…」
「そりゃポインティちゃんの感知能力が高すぎるんや。もっと鈍感になるか、慣れるかせな、それごときで精神崩壊しとったら話ならんで。」
「そう……ですか。」
「とにかく、今はまだすることあらへん。その時が来たらこっちから迎えに行くわ。」
「分かりました。……あと、ひよ里さんに私なにかしましたか?」
「あぁ…まぁ、ポインティちゃんはなんもしてへん、気にせんでええわ。俺から言うとく。」
日が昇り、ジリジリと太陽が地面を熱している。
「お帰りなさい、遅かったっスね。」
『それと、俺らのことはくれぐれも内密にな。自分の立場考えたらせんやろうけど尸魂界に報告するんはご法度やで。』
「ちょっと空座町ぶらぶらしてました。」
「そうッスか。」
「何クールに決めてんだよ!」
と、ジン太から飛び蹴りを食らわされた浦原さん。
「さっきまで『ポインティサン帰ってこないい!』って喚いてたくせに。」
「それは…言っちゃ駄目…」
「え?浦原さんが?」
「そーなんですよ隊長!!さっきまでずーっとのたうち回ってたんですよ!!」
とアイスを頬張るリンが寝転びながら顔を出した。
「え、なんかごめんなさい…?」
「もう、本当に心配したんですからね!ここにいる時はみんな家族なんですよ!ポインティサンもリンサンも娘なんですから!!」
「はーいはいはい、パパ、アイスもう一本~。」
寝転んだ状態で食べ終わったアイスの棒を振りながらアイスを懇願するリン。
「そんな怠惰な子に育てた覚えはありません…」
「育てられた覚えありません。」
2人のやり取りに思わず笑みが零れた。