第15章 一番隊の始動
「おい!松本!これからまだ仕事が!!」
逃げた乱菊さんを追う冬獅郎。
こりゃまずいことしたな……
隊舎へ戻ると現世にいたはずの天月ちゃんが帰ってきていた。
「お帰りなさい。」
「隊長、休めました?」
「大丈夫よ。あのさ、天月ちゃんに聞きたいことがあるんだけど。」
「なんですか?」
「浦原さんって昔からあんな感じなの?」
「そうですね、変わってないですね。」
「そうなんだ。」
「どうしてですか?」
「いや、浦原さんのこと調べたら崩玉についてとか色々わかる気がして。」
「ふむふむ、なるほど。浦原についてなら世に聞くよりも夜一さんに聞いた方がいいんじゃないですか?」
「まぁ確かにそうよね。」
「それか、……涅隊長……とか……」
沈黙が走る
「冗談です。」
しかし、技術開発局に行くのはアリだろう。
行ってみることにした。
「前隊長の残した資料……っすか…」
「ごめんなさい、アポなしできてしまった上に…」
三席の阿近さんが取り合ってくれた。
「前隊長の私的なものとかほとんど処分してるんですよねぇ。すんません。やっぱ無いっスわ。」
あっても渡してくれなさそう。ここには手がかり無しか。
一番隊へ戻る道すがら、私を呼ぶ声が聞こえた。
「どーこで油売ってたんですか!現世に向かう時間ですよ!」
副隊長たちからもらった鏡にうつるリンの姿。
今日から1週間、リンと現世での任務だ。
浦原さんの協力もあり、浦原商店に拠点を置かせてもらっている。
その夜、ふと目を覚まし我々が借りている部屋の外に出た。
「…?」
浦原さんの部屋の明かりがついている。思えば毎夜一晩中ずっとついている。何してるんだろう。
「趣味悪いっスよ~わざわざ気配消して~」
「バレましたか。」
部屋の扉をバンと開けて扇子をパタパタさせた。
「寝付けませんか。」
「少し。」
じゃあ下に降りてなにか温かいものを用意しましょう。少しお待ちください、と言って彼が机の上を片付けているのを待つ間、部屋の中を眺めた。
「……あれって、」
棚に並ぶ写真。遠いし暗くて良く見えないが
「これって隊長だった時の写真ですか?」
するとひょいっとその写真を伏せて置いた。
「昔の写真なんで見られると恥ずかしいっス。」
「意外です。浦原さんって写真とか飾るんですね。」