第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
「意地っ!?何で俺がっ…」
『普段絶対言わないくせに…私が必死になってる時に限ってそんな事言って』
嬉しいなんて素直に言えない。
キスまでしてもらって、そんな言葉を聞かされて、私が嬉しくならないわけがないじゃないですか。
「……でも嫌じゃねえだろ」
『!………やっぱ意地悪!!』
「お、い!首!お前最近俺の事殺しにかかってきてねえか!?」
首をギュッとすれば、中也さんはその力から逃れようとしてか、私の肩に首を置く。
髪の毛当たって擽ったいけど、薬の効果はもう切れたのか、身体が大きく跳ねるようなことはなかった。
「ああー…何だ、やりすぎたのがいけなかったか?それならそうと___」
中也さんの頬に軽く、ほんの一瞬だけ、触れるだけのキスをする。
すると中也さんは驚いたのか、一瞬身体をピクリと動かしてから何も言わなくなってしまった。
『…………大好き。お願い、聞いてくれてありがと』
「………はっ、?蝶お前っ!?」
『…とりあえず出てって下さい!もう大丈夫ですから!!』
すぐに能力で扉を開けて、リビングを目視して中也さんをそちらに移動させ、自分の部屋のドアを閉めた。
恥ずかしい中無理矢理作った笑顔は、誰がどう見ても違和感があっただろう。
「なっ…!!」
ドアの向こう側で、中也さんが固まったような声が聞こえる。
しょうがないよね、だって恥ずかしかったんだもん。
中也さんにキスする目的の為にキスをしたのなんて初めてだし…ほっぺただったけど。
掛け布団を頭まで被って、顔に集まる熱を覚まそうと大人しく蹲り、外で呆然としているであろう中也さんの顔を思い浮かべる。
そして、それと同時に自分のした事と珍しく中也さんが私の言う“大好き”に驚いた反応を見せていた事を思い出して、頭の中をぐるぐると同じ場面がループした。
『…………バレちゃった、かな。…私の事、離さないでいてくれるかな…?』
私がそういう風に中也さんを見ている事が。
私が中也さんの事をそう思っている事が。
前よりちょっとでもそう思ってもらえればいい。
私の事を嫌わない、離さないと言った中也さんに、ちょっとでもそう意識してもらえれば…
『……いつか口にも出来るようになればなぁ』
私の呟きは布団の中でこだまして、布団と私の身体の熱にとけて消えていった。
「おいおい、勘弁しろよ…」
