第15章 大切な人
『ちょっ、何してんのあの人ッ、普通の中学生相手にあんな殺気紛いのものだしちゃ…』
「親の脛かじってのうのうと生きてるようなまだまだ餓鬼の手前らがあいつの事とやかく言ってんじゃねえよ…立派なもんじゃねえか、自立して働いて自分で学校にも通って。それの何がおかしい?」
『中也…さん…?』
「脛かじってって、そんなの子供なんだから当然じゃ「甘ったれんな糞餓鬼共が、そんな考え持ってる奴らがあいつの事をどうこう言う権利なんざねえんだよ………それにこの学校はあれだろ?自分よりも学力の優れた人間には何も言えねえ社会なんじゃなかったのかよ?」!!!!」
よほど相手の癪に障ったのだろうか、キッ、と悔しそうな顔をして感情が高まった様子の女の子達。
『…!!危な……っ』
「蝶!?おいっ、てめえ何を……ッ、おい!!!」
パアン!!と乾いたような、少し鈍いような音がした。
ちょっと痛かったけど、平手打ちくらいなら…こんなの、全然平気なくらいだ。
口の端から少し血が垂れてきたけれど、これで少しは相手も冷静になるだろう。
「な……っ、あ、貴女今、さっきまであそこに…ッ!?脚を怪我してたんじゃ!!?」
『…………ッ、触れないで…私の事ならなんとでも言えばいい、何言われたって文句なんか言うつもりも無いし、構うつもりも微塵も無い……けど、私の許可なく勝手にこの人に触れないで…!!』
「「「そっち!!?」」」
「お前ッ…馬鹿か、今んなこと言ってる場合じゃねえだろ!?俺が痛がったりするか餓鬼の平手打ちくらいで!?口切ってんだろそれ!!!」
中也さんの言葉によって我慢の限界に達した。
『……っ、何がそんな事よ!!!忘れたの!?今日、私誕生日!!中也さん来るの遅くて今日はなんでも聞くって言ってたわよね!?私さっきからずっと早く帰ろうって言ってるわよね!!?』
「え、俺!?お前がキレるところそこ!!?」
「「「え、ええ…」」」
『そこって何よそこって!?私三日も会わずに我慢してたのにまた違う女の子に構ってばっかり!!なんで私以外の子にわざと叩かせて触られるような真似してるんですか!!!』
ざわっとどよめき始める周り。
「お前なんで気付い……ちょっ、蝶さん待て、落ち着け、誤解だ!決して浮気の類じゃ…」
『問答無用!!!そんなに叩かれたいんなら私がしてあげるわよ!!!!!』
