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第15章 大切な人


お昼にもなると、皆それぞれ、親が来ている子達はそっちの輪に入ってご飯を食べる風習らしい。

それだけじゃなくて、家族ぐるみで仲のいい子達は友達もそこに入ったり…友達同士でご飯を食べたり。

カルマなんかは両親がまだ海外住みらしく、今日は仕事で親が来れなかったという渚君と食べている。

私はといえば、少し前にトウェインさん達と別れてからすぐに誰の目にもつかないところに移動した。
トウェインさん曰く酷い顔をした私が出ていても、他の人が嫌になるかもしれないし。

食欲なんて数日前からそんなに無くて、動いてみてもやっぱりお腹は空かなくて。

朝から自分のお弁当なんてものは作らなかった。
持って出ていったふりをした。

中也さんはここ数日間本当にお仕事が立て込んでいて、家にいる時間の方が少なかったから。

そういえば最近そんなに中也さんに会ってないなぁ、なんて思う事もしばしば…

中也さんの分のお弁当を置いて、メモを残して体育祭に来ただけだった。

こういう時、普段ならうるさいくらいの執拗い電話やメールが来るのだけれど、多分そんな余裕もないのだろう。

追跡任務や暗殺任務、殲滅任務…中也さん自身が動くような仕事が次々と入ってしまったから。

後に回すことも先に済ませておくことも出来ないような、緊急の任務ばかりだから。

せめて電話の一つくらい、なんて今日に限って思ってしまう。
いつもならもういいから、とか何回目なのよ、なんて邪険に扱う事だってあったのに。

「ここにいましたか白石さん!探しましたよ!」

『!え…こ、殺せんせー?』

「はい、白石さんのお姿が見当たらなくなってしまっていたので…どうされたんですか?てっきりお昼もトウェインさん達のところとご一緒するのかと思っていたのですが」

『………先生、私、ずっとずっとわからない事があるんです』

私の言葉を静かに聞いてくれる殺せんせー。
どうしてか、落ち着く。

何故かは分からないのだけれど、この人とこうやって話をするのはとても安心する。

「何ですか?先生がお答えできることなら、何でも教えますよ!」

『…ごめんなさい、やっぱり大丈夫です!ちょっと暑いのにやられちゃってか食欲なくて…調子戻ったらまた戻るんで、心配しなくて大丈夫ですよ!』

パッと表情を作り変えて笑顔を見せる。
こうすれば誰も気付いてくれないだろうから。
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