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第14章 わからない人


「んで、なんでいい感じにまとまろうとしてんのに家にそんなに帰ってきたがらねえんだよ?」

『行ったらなんでも言っちゃいそうで「言えばいいだろ」……中也さんは、私が一緒に生活してても嫌じゃないだろうって思えるの?』

「お前がいてくれたら今の違和感しかねえ生活も変わるかもしんねえしな、なんつうか物足りねえんだよ一人だと…嫌になるどころかいてくれねえと、多分俺頭おかしくなって死んじまうなこれは」

『…私の要望多いですよ?』

「どんときやがれ、どうせお前の事だ、対したわがままでもねえんだろ」

目をぱちくりさせてそのまま平生を装って、なんとか続けようと言葉を紡ぐ。

所々でやっぱり同じような事言ってる…本当にこの人の言葉はいつも本心なんだ。

『まず寝るベッドは一緒ね、朝まで一緒にいてくれなきゃやだ』

「待て待て蝶さん、男とんな風に寝るんじゃ『中也さん毎日してくれてたもん』犯人は俺か…!!!」

『で、それから………あれ?おかしいな…うん、それでいいや』

「?どうした、まだ一つしか……お、おい?」

『………いつもどうやって過ごしてたか忘れちゃった…良くも悪くもずっと一緒だったから、何してたかとか全然意識してなくて…』

嘘だよ、それ以外をねだる勇気が無いだけ。
本当は知ってる。

ご飯作って食べてもらって、髪の毛乾かしてもらってくくってもらって、いっぱいギューしていっぱいキスもして、やりすぎなくらいに甘やかしてもらって…

だけど私は臆病だから、ご飯一つ作るのだって恐ろしい。
私が作ったものならこの人は絶対に食べきってしまうから。
また、倒れてしまいでもしたらって、映像が頭の中にこびり付いて離れてくれない。

本当にこのまま戻っていいの?
本当にこのまま……

「…俺はお前が一人で我慢して頑張って来てた分だけ、キスでも何でもして甘えさせてやりてえけどな?」

『……へ…?』

「今見てえに抱きしめてくれってお願いされりゃ、俺はこの通り喜んでお前を抱きしめる…不安なんだろ、蝶。怖がらなくていいから、試しにでもなんでもいい…素直になれよ。俺にどうして欲しいのか、どうしたいのか……その都度言葉にしてくれれば、俺がちゃんと褒めてやるから」

『ほ、め…って……』

「頑張ってくれた奴にはそうしてやんだよ、いいから素直に大人に甘えとけってことだ」

もう十分、甘えてるよ。
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