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第14章 わからない人


通いつめていただけあってそんなところはもうお見通しということか……流石だ。
ケーキを堪能してから、最後にプリンを口に含む。
相変わらずの美味しさだ。

「これ美味ぇな…お前がプリンに執着する気持ちも理解出来るわ」

『……今度、何か作ったら…その…』

「!食わしてくれんのか!?」

中也さんの勢いにビクリと驚いたものの、嬉しそうにしてもらえるのが嬉しくて、けれどもやはり恥ずかしくて目を伏せてコクリと頷いた。

「嬉しいもんだな、誰かが俺のために作ってくれるなんて」

『……他の人の前では絶対食べないで』

「?なんでんな事…」

『…お願い。作るの、今ちょっと怖いから』

そう言えば何を思っているのか分かったのだろうか、中也さんは私を見つめて目を丸くして驚いていた。

「お前それで気にして…そこまで気にしなくてもお前のせいじゃねえってのに」

『私の敵が中也さんの事巻き込んだの、私のせいじゃないことないから……お願いします。私がいるところで食べて下さい』

「…まあ、お前と一緒に食えるってんなら願ったり叶ったりだがな」

再び立ち上がって、今度は私の隣に腰掛けた中也さん。

近い…けど、落ち着く。

私の頬にまた手を添えて、もう片方の手で髪を耳にかけて中也さんの方に顔を向けられる。

「嫌がらねえの?…顔赤ぇけど」

『…嫌じゃ、ない』

「………俺にこのままどうされっか想像ついてんのか?」

『分かんない…けど酷いことはしないでしょう?』

「言うじゃねえか……」

『…ッ、…ん、ン……っ』

口付けられて、そのまま唇を軽く吸うように啄まれる。
久しぶりのキス…久しぶりの感覚。
いけないことだって思ってるのに、それでも相手がこの人だから…記憶が無くても中也さんだから、拒もうだなんて思わない。

目を瞑って優しい刺激に溺れていれば、中也さんの唇がスッと離れる。

『ふ、ぇ…っ?な、んでやめちゃ…』

「………好きだ」

『ッ、ぁ…ちゅ、やさ……今そんな事…っ』

「今言わねえでどうすんだよ…気弱な俺は嫌いなんだろ?蕩けた顔してくれやがって」

中也さんに抱きしめられ、そのままソファーに押し倒されて見つめられる。
どうしよう…どうしよう。

好き…この人にこうされるのも、好きって言われるのも、無理矢理っぽく見せてるくせして優しく触れられるのも大好き。
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