• テキストサイズ

Replay

第14章 わからない人


『あ、あの…ぶつかっちゃってすみません。でももう私は大丈夫なんで、手を離していただけないですか…?』

「麗しの白石さんにお怪我でもさせてしまっては私の一生の恥ですから…手は問題なさそうですね。少し失礼しますよ」

『ふぇッ!?ちょ、どこ触って…ひゃ…っ!!』

髪を片側にまとめられて、何かと思いきや肩を指でなぞられる。
な、何してるのこの人?
怪我の具合の確認とかそんな変なところで丁寧にしなくっていいのに。

『あ、の…大丈夫なんで離れ……ッ、きゃぅ…っ』

「!!首が痛むのですか!?まさか反動で壁にでも…」

『ち、がうから離れて!!!…っ、ふ、ぅ……ッ…触らな…っ』

Aさんの指が前の首筋に触れようとしたそんな時。

「な、にして…っ!?手前、何こいつに触れてやがる!!?」

「!おや、中原幹部ではないですか…何、ぶつかってしまったのでお怪我でもされてはいないか確認をと思いまして」

「いいから離れろ!!手前の組織の中での立場を忘れたわけじゃあねえよな…?」

「忘れられてるのは私ではなくて貴方様の方なのでは?…早く思い出してあげないと、白石さんが可哀想ですよ」

言いながら私の方を見つめて、サラリと髪に指を通すAさん。
悪寒が漂ってゾワリとすれば、そんなに警戒しないで下さいよと髪にキスまで落とされた。

『や……ッ…!!』

「おや………この程度のもので座り込んでしまうだなんて、初なお方なんですねえ可愛らしい…こうしていてはそこの幹部殿に何をされてしまうか分かりませんので、私はこのあたりで。痛むところがあればお大事に、です」

去り際に中也さんの耳元で何かを耳打ちして、Aさんはどこかに歩いて行ってしまった。

…何、今の……なんで私にあんな触れ方してくるの。
なんで、髪にキスなんかするの。

Aさんのあの目、あれを私は見たことがある…何度か遭遇して、自分でなんとか出来たことはなかったあの目。

『……っ、…』

「!蝶!!あいつに何された!!?」

『!!…ち、がう……っ、私、中也さん以外の人とそういうつもりは…』

「誰もんな風に思ってねえよ!!どう考えても一方的にああされてただけだろうが!!!」

『…ぶ、つかって痛いとこがないかって確認されてた……だけ、です』

私の目の前でしゃがみ込んで頬に触れる中也さんに少しだけ安心して、声を出した。
/ 2703ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp