第16章 Don't be discouraged!
松本side
風呂を入れてくるって言ったまま
戻ってこない和。
どうしたんだろう?
もしかして…後悔してる?
俺の事、嫌いになった?
さっきまで隣にあった温もりが消えて…
冷え始める身体。
それと比例するようにどんどんと心が
黒いものに塗りつぶされていく気がして…。
否定しても否定しても、次々と浮かぶ不安。
振り切りたくて…バスルームに向かう。
「和…」
蛇口から勢いよく出るお湯の音で
掻き消されそうな程、小さな声しか出ない。
僅かに漏れた名前を呼ぶ俺の声に
それでも和は気付いてくれた。
N:「潤くん?どうしたんです?
そんな泣きそうな顔して…」
和がふんわりと笑う。
その目にはいつもの皮肉げな光はなくて
ただあたたかい優しさだけがあった。
バスタブの縁に座ってた和が
こちらに歩いてくる。
お湯で濡れた手で俺の頬を包むと
そのまま優しいキスをした。
唇に感じた柔らかく温かい温度に
涙が零れる。
N:「なにが悲しいの?言ってみ?」
「わかんない…。
でも…和がなかなか戻ってこなくて…
どんどん不安になって…」
泣きながら言う俺に
和がそっと抱きしめてくれる。
N:「ごめんね?
お湯入れながら考え事してた」
「考え事?やっぱり後悔してるの?」
N:「後悔ってなにを?」
「俺と寝たこと…」
言ってしまってまた後悔する。
こんなこと言う俺、間違いなく重い…よな。