第11章 本気の恋
…全てを話し終えて、私はみんなの反応を待つ。
ここは松野家の居間。昨日のことで話す決心をした私は、朝トド松くんのスマホに電話をして、家に招き入れてもらった。
正直、うまく話せたか自信がない。感情が昂って曖昧になってしまった部分があったかもしれないけれど、大まかには伝えられたんじゃないかと思う。
…やがて、おそ松くんが口を開いた。
「…俺、馬鹿だから、あんま難しいことは分かんねぇんだけど…とりあえずさ」
「うん…?」
「話してくれて、ありがとうな!」
「えっ」
おそ松くんがニカッと笑う。それにつられて、みんなも私に笑顔を向けてくれた。
「そんな辛い話するの、すごく勇気がいることだよね。君が今までずっと避けていた理由が分かったよ」
「ああ。だが君はその勇気を振り絞ってくれた。自分の過去を他人に話すのは、内容がどうであれよほど親しい間柄ではないとできないからな」
「僕たち、ずっと君を心配してたんだ。君がもし危険な目に遭ったらどうしようって。助けようとして空回りしてないか不安だったけど、無事で済んで何よりだし、それに…」
「……ようやく、あんたのことを知れた気がして、ほっとしてる」
「僕らに話してくれて、ほんっとーにありが特大サヨナラホームラン!!!」
「っ…みんな…」
また涙が出そうになる。私、泣いてばっかりだ…。
肩を震わせる私の頭に、ぽんとおそ松くんが手を乗せる。
「泣くなって。絵菜ちゃん、前に自分で言ってただろ?俺たちと¨お礼を言い合う仲になりたい¨って。君が悲しむ姿を見るのは、俺たちの誰も望んでないんだ。…ほら、笑って?」
……私、
私、こんなに幸せで、いいのかな。
暗い過去を打ち明けた私を、助けてくれるばかりか笑顔で受け入れてくれる、今、目の前にいるみんなが、
こんなにも愛しくて…大好き。
私は涙を拭って、精一杯の…でも、心からの笑顔で、
「うん…もう大丈夫。みんな、ありがとう…っ!」
彼らと出会ってから、ううん、きっと人生で一番の、感謝の言葉を伝えた。