第10章 衝動【カラ松、チョロ松】
【絵菜side】
次の日の朝。
手早く朝食を済ませ、ベランダに向かう。
空は快晴。窓を開けると清々しい風が髪を撫でる。
んーっと伸びをして深呼吸。…気持ちいいな。
一松くんと十四松くん、仲違いせずにすんで本当によかった。
あのクレープおいしかったなぁ。ふふ、十四松くん口の周りにクリームいっぱいつけてて、一松くんがだらしないって怒ってたっけ。
二人といると癒される。マイナスイオンを発しているんじゃないかと思うほど。
…支えてもらってるなぁ、私。
あいつに会ってからは、出掛ける際にはなるべく人通りの多い道や場所を選ぶようにしてるし、あまり外には出ないようにしてる。電話も着信拒否。
自分なりにガードを固めてるけれど、そんなピリピリした生活の中で、6つ子のみんなの存在は本当に大きい。
仕事を始めたらなかなか会えなくなるだろうし、今のうちにもっと一緒にいたい…なんて、贅沢すぎかな。
そろそろ戻ろうと、窓を開けて部屋に入ると、スマホのバイブが鳴っていることに気付く。
誰だろう、と名前を見ると、地元の友人の舞だった。
「もしもし、舞?久しぶり!」
『うん、久しぶり絵菜!元気にしてる?』
「ふふ、なんとか元気にやってます!それより、急に電話なんてどうしたの?」
『実は今、私こっちに遊びに来てるの。明日帰るんだけど、どうせなら帰る前に絵菜に会いたいなって。今日って都合大丈夫かな?』
「本当っ?うん、私も会いたい!でも家事しなきゃいけないから、お昼頃でもいい?」
『もちろんいいよ!赤塚広場で待ち合わせしない?』
「了解!じゃあ12時くらいには着くようにするね。また後で!」
電話を切って、時計を見る。よし、あと4時間はあるし、ぱぱっとやること終わらせちゃおう!あ、その前に銭湯に行かないと。
それにしても、こっちに来てるなんてびっくりだなぁ。なんだかんだで数ヶ月ぶりの再会だから楽しみ!