My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
―6月7日―
「……まさかこんなお願いされるとは…」
思わずまじまじと呟いてしまう。
何度目の呟きだろう、これ。
…でもそれだけ、ユウが望んだことは予想外のものだった。
「ふふ。なんだかんだ、神田も気に入ってたってことでしょ?」
「そう…なのかなぁ…」
嬉しそうに目の前で笑うリナリーに、ついつられて笑みが零れてしまう。
…そうだとしたら…少し、嬉しいんだけど。
昨夜教団に帰り着いてコムイ室長に任務報告をすれば、嬉しいことに今日は休みを貰えた。
本当はケークサレを作り直そうと思ってたけど、ユウから意外な願い事を聞いたからそれどころじゃなくなって。
なんとかお昼過ぎにリナリーを捕まえてそれをお願いすれば、喜んで承諾してくれた。
そして今。
「うん、これでばっちり。これなら絶対神田も頭なんて叩かないわよっ」
「あはは…」
胸を張って言い切るリナリーに、思わず苦笑してしまう。
緩く左サイドでまとめられた髪に飾られた、少し大きめのアンティーク調のバレッタが可愛い。
そんな髪型に合わせたのか、リナリーが選んだ服装はこの間街で買わされたもの。
ふんわりと膝が見えるくらいの、柔らかいフレアスカートの白ワンピース。
黒い襟と、黒いレースがスカートの端にあしらわれていて、白黒のゴシック感が大人可愛い。
背中のファスナーをきちんとリナリーに上げてもらって、姿見の前に立てば…やっぱり見慣れなくてどこか自分でないようだった。
…薄ら化粧もしちゃったから、違って見えて当たり前かな…。
「でもこれで大丈夫かな…?」
「大丈夫よ。ちゃんと可愛いもの」
「…そうかな」
『この間リナに着飾られてただろ。あれ、してこい』
それが望みだと伝えてきたユウに、あの時はあまりの予想外さにまた驚いて固まってしまった。
…暫く驚きは隠せなかったなぁ。
普段の私も着飾った私も、変わらず私は私だって言ってくれたから。
女性の外見の飾り立ては、興味ないと思ってたのに…。