My important place【D.Gray-man】
第37章 6/6Birthday(番外編)
✣
ガタン
ゴトン
揺れる列車の中。
雪が手配した個人車両の席に腰を下ろす前に、雨水を含んだ団服を脱ぐ。
「はい、タオル。ボロボロになっちゃったけど…」
「必要ない。お前が使え」
引き裂かれた荷物から、同じく引き裂かれてボロボロなタオルを渡されて押し返す。
俺は風邪をひかない体なんだよ。
寧ろお前にひかれた方が後々面倒だ。
「でも…」
「大丈夫だつってんだろ。俺は自然乾燥で充分だ」
団服を脇に置いて席に腰を下ろす。
きっぱりと言い返してやれば、雪はまだ腑に落ちない表情をしたものの。渋々とマントを脱ぐと、向かいの席に座ってタオルで体を拭い始めた。
「それより約束は守ったからな。ちゃんと言え」
そんな雪を真正面から見据えて問いかける。
教団に帰るなら、その変にコソコソ隠してることも話すとこいつは約束した。
ちゃんと守れよ。
「…とりあえず、教団に帰ったら」
「駄目だ今言え」
取り繕うように笑うそいつを、即刻拒否。
教団に戻ってまた逃げ出されたら堪らない。
だから逃げ場のない此処で、問い質すことにした。
「教団も此処も変わらねぇだろ。時間は有効活用しろ」
生憎、移動時間はたっぷりあるんだ。
「……」
なのに返ってきたのは沈黙だけ。
…おいコラ。
「…この期に及んでだんまり決め込む気か」
「っ」
凄んで睨めば、視線を逸らしながら目に見えて冷や汗を流す。
そこまで危機感持ってんのに、なんでここまで言おうとしないのか。
中々言葉にできない性格だから、と言えばそこまでだが…お前が言ったんだからな、話すって。
だからこそ、ここで逃がす気はなかった。